アルコールの飲みすぎが中性脂肪を高くする

 

アルコールの飲みすぎが中性脂肪値を高くすると言われています。

 

 

お医者さんに中性脂肪値が高いことを注意されたときに「アルコールが控えめに」と言われます。

 

しかし、これは軽く言ったわけではなく、中性脂肪とアルコールには深い関係があります。

 

アルコールで中性脂肪値が上がるのは、お酒を飲むときにおつまみでカロリーを摂りすぎるからとも言われていますが、それだけではありません。

 

実は、アルコールを沢山、飲むこと自体が中性脂肪値を高くする原因になります。

 

そこで今回は、そんなアルコールが中性脂肪を上げてしまう原因について解説します。

 

アルコールには肝臓での中性脂肪の生産を増やす作用

 

アルコールは肝臓で中性脂肪を増やす働きをします。

 

 

アルコールは肝臓で分解されて水と二酸化炭素になる(酔いがさめる)のはご存知のとおりです。

 

肝臓は沢山の仕事をこなす「忙しい臓器」ですが、中でもこのアルコールの分解は最優先されます。

 

アルコールには中枢神経をマヒさせる作用があり、たくさん飲むと気分がハイになるだけでなく、ろれつが回らなくなったり、千鳥足になったりします。

 

これは身体にとっては、早く元に戻さなければならない異常事態です。

 

「沈黙の臓器」と言われる肝臓は、忙しいときに余計な仕事が回ってきても黙ってその仕事をこなします。

 

しかし、優秀な肝臓も沢山のアルコール処理をまかされると、さすがにほかの仕事が後回しになります。

 

アルコールによって後回しにされる仕事の1つが脂肪酸の分解です。

 

脂肪酸は、消化器官が脂肪を消化して肝臓に送られてくる物質で、肝臓はこれを分解したり再合成したりして人間に有用な物質に作りかえます。

 

中性脂肪もこの脂肪酸から作られます。では、むしろアルコールは中性脂肪の生産を少なくするのでは? という気がしますが、実際はその反対です。

 

肝臓に分解されない脂肪酸がたまると、脂肪酸にある中性脂肪の合成をうながす酵素がはたらきだすからです。

 

いわば、後回しにされた部署から仕事の催促がくるわけです。

 

毎日たくさんのアルコールを摂取するとこの「催促」も日常的になり、それが結果的に中性脂肪の生産を増やすことにつながります。

 

このようにして増えた中性脂肪は、一部は血管に放出されて血液の中性脂肪値を高くし、一部は肝臓内に蓄積されて脂肪肝の原因になります。

 

アルコールはコレステロール値を高くする原因にも

 

過度のアルコールは悪玉コレステロールを増やす原因になります。

 

 

適度のアルコールはHDL(善玉)コレステロールを増やして動脈硬化の進行を予防する、という話を聞いたことはありませんか?

 

これは本当で、厚生労働省のホームページの「e−ヘルスネット」には次のように書かれています。

 

HDLコレステロールはアルコール摂取量の増加に伴って増加します。適量の飲酒(男性で1日日本酒換算1合ぐらい)であれば、血圧を上げずにHDLコレステロールが増加するため、脳血管障害・虚血性心疾患の発生率を低下させるといわれています。これが「適度の飲酒が寿命を延ばす」と言われるようになった所以です。
引用元:e−ヘルスネット

 

しかし、これはあくまで「適量の飲酒」について言えることです。

 

同じページには、次のようにも書かれています。

 

長期間の大量飲酒者では、ときに100mg/dlを超えるような著しい高HDLコレステロール血症を認め、角膜輪や虚血性心疾患を合併することもあります。したがって長期大量飲酒者での高HDLコレステロール血症は、適度の飲酒時の動脈硬化を予防するHDLコレステロールの増加とは、異なるものとして考える必要があります。

 

このように中性脂肪値が高くなるとLDL(悪玉コレステロール)が増えることが分っています。

 

コレステロールも肝臓で作られますが、中性脂肪が増えると肝機能の脂質合成のバランスがくずれて、LDLコレステロールの産生が増えるのです。

 

特に、中性脂肪値が高いとLDLは小型化して、動脈硬化の原因になる「超悪玉コレステロール」に変化します。

 

小型化したLDLは血管の内壁にもぐりこんでアテロームと呼ばれる粥状のこぶを作りやすいからです。

 

適量のアルコールとは?

 

中性脂肪値を悪化させない為の「適量のアルコール」とはどのくらいなのでしょうか?

 

 

厚生労働省では「節度ある適度な飲酒」は1日平均純アルコールにして20g程度としています(国民健康づくり運動「健康日本21」)。

 

これをお酒に換算すると次のようになります。

 

  • 日本酒 1合(180ml)
  • ビール 中ビン1本(500ml)
  • 焼酎(25度) 0.6合(110ml)
  • ワイン 180ml
  • ウイスキー(43度) ダブル1杯(60ml)

 

お酒の好きな人にとっては「少ない」と感じる数字かもしれませんが、中性脂肪値が高い人や、脂肪肝だといわれた人は、この「適量」を守ることが改善の近道です。

 

もちろんお酒の強さ(アルコールの分解能力)には個人差があるので、いちがいに適量を決めるわけにはいきません。体格(血液の量)によっても適量は違ってきます(したがって女性は男性よりも適量は少なくなります)。

 

実感的な目安としては「お酒はほろ酔いにとどめる」のが、その人の適量といえます。

 

「ほろ酔い」は血中アルコール濃度でいうと0.02〜0.04%です。

 

心身への作用としては、大脳新皮質が少しマヒして気分がリラックスしてほがらかになります。緊張が取れて副交感神経が優勢になるので、毛細血管が拡張して顔がほんのり赤らみます。

 

しかし、これもお酒の好きな人はつい拡大解釈したくなる目安かもしれません。顔を真っ赤にして、すこしロレツがあやしくなってきても「これがオレのほろ酔いだ」なんてね。

 

もう少し飲みたい、という人はゆっくり飲むことが大切です。肝臓にあまり忙しい目をさせないことで中性脂肪が増えるのを防げるからです。

 

その意味で週に1〜2日、休肝日をもうけることも大切です。

 

また、お酒は食事のときに飲むようにするのがおすすめです。食事とは別におつまみを食べながらチビチビやるというのは、カロリーの摂りすぎになりがちです。

 

中性脂肪値が高くなるとどんな影響があるの?

 

アルコールの飲み過ぎやカロリーの摂りすぎで中性脂肪値が高くなると、健康にどんな悪影響が出るのでしょうか?

 

ここでは簡単に中性脂肪値が高くなることで起こる影響については次のページを参照してください。

 

参考:中性脂肪値が高いリスク

 

まとめ

 

アルコールの飲み過ぎが中性脂肪値を高くする理由について解説しましたが、いかがでしょうか?

 

アルコールの摂りすぎは肝臓の仕事を増やして脂肪酸の分解が遅れるので、それが中性脂肪の増加につながります

 

中性脂肪が高くなりすぎるのは、カロリーの摂りすぎも大きな原因ですが、アルコールの飲みすぎも大きな影響があります。

 

中性脂肪値を正常にするには、カロリーの摂りすぎに注意すると共に、お酒を飲み過ぎないことが大切です。

 

 

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