中性脂肪値が低い原因とその対策

中性脂肪値が低い原因とその対策

 

血液の中性脂肪値が高いことの弊害はよく話題になりますが、中性脂肪値が基準より低いのも良くありません。

 

 

疲れやすい、根気が続かない、などの症状は低すぎる中性脂肪値が原因の場合ことがあります。

 

さらに、肌荒れする、化粧のノリが悪いなどの肌のトラブルも中性脂肪値が低く過ぎると起ることもありあります。

 

そこで今回は、案外に見過ごされている低すぎる中性脂肪値の原因と対策について解説します。

 

 

中性脂肪値が低すぎるとどうなるの?

 

中性脂肪値が基準値より低い場合にはどのような問題があるのでしょうか?

 

 

中性脂肪値の正常範囲は30〜149ml/dlで、29ml/dl以下なら低中性脂肪値と診断されます。

 

血液の中性脂肪値が低いというのは、いわば2段ロケットの2段目の燃料が不足している状態です。

 

血液は全身の細胞にエネルギーを供給していますが、そのエネルギーには2種類あります。1つは血糖(ブドウ糖)でもう1つは中性脂肪(脂肪酸)です。

 

体を動かしたときにまず消費されるのが血糖で、これがロケットの1段目の燃料です。1段目の燃料が不足してくると、2段目の燃料である中性脂肪が消費されます。

 

ある程度の時間運動しないと脂肪は消費されないと言われるのはこのためです。

 

では、2段目の燃料である中性脂肪が不足するとどうなるのでしょうか?

 

 

耐久エネルギーの不足で倦怠感や低体温にも・・

中性脂肪値が低くても、低血糖症のように意識を失ってバタンと倒れるということはありませんが、持続力がなくなって疲れやすくなります。

 

お腹がすくとまったく動けない、休憩しても疲れが回復しない、仕事の根気が続かない、というようなことが起きやすくなります。

 

全身の倦怠感や低体温などの症状も出やすくなります。

 

脂溶性ビタミンが不足してさまざまな症状になって現れる

中性脂肪値が少ないと同時に脂溶性ビタミンが少ないことになりさまざまな症状となって現れます。

 

ビタミンE、ビタミンA、βカロチンなどの脂溶性ビタミンは、中性脂肪のカプセルに入って全身の細胞に運ばれます。

 

脂溶性ビタミンの運び役である中性脂肪が少なくなると、いくら食べ物で脂溶性ビタミンを摂取しても、それを必要としている細胞に届かないことになります。

 

脂溶性ビタミンが不足すると皮膚や粘膜が弱くなります。胃や腸の上皮、肺や気管支の上皮も弱くなります。

 

こういう外界と接する器官の上皮が弱くなると細菌に対する抵抗力が低下して、肌荒れしたり、風邪をひきやすくなるなど、さまざまなトラブルを起こしやすくなります。

 

神経機能が低下して、視力が衰えたり、動悸や息切れ、めまいなどの症状があらわれます。

 

血管の老化が早くなり、動脈硬化が進むこともあります。

 

普通は中性脂肪値が高いことが動脈硬化の原因といわれていますが、低すぎるのも原因になります。

 

中性脂肪値が低くなる原因

 

中性脂肪が低くなる原因は大きく分けると次の3つです。

 

 

  • 遺伝的な体質によるもの
  • 食生活や運動などの生活習慣によるもの
  • 病気によるもの

 

遺伝的な体質

食生活や生活習慣にとくに問題がなくても、体質的に中性脂肪値が低い場合があります。

 

というより、中性脂肪値が正常範囲より低い人は、病気が原因の場合をのぞいて多かれ少なかれ体質が関係しています。

 

家族で痩せていたり、揃って中性脂肪値が低い場合は遺伝的な体質が関係していると考えられます。

 

中性脂肪値を基準値の範囲のなるように、食事で十分な栄養を摂るのが大事になります。

 

極端な少食や偏食、菜食主義

食事で十分な栄養を摂っていない場合には中性脂肪値が低い原因となります。

 

極端な少食が栄養不足を招き、中性脂肪値を低くすることは言うまでもありませんが、肉も魚も嫌いという極端な偏食も原因になります。

 

ヴィーガンといわれる厳格な菜食主義も、中性脂肪値が低くなりやすい体質の人には向きません。

 

野菜にも糖分や脂肪があり、それが中性脂肪の材料になりますが、中性脂肪値が基準より低い場合はやはり肉や魚、乳製品などを積極的に食べる必要があります。

 

過激なダイエット

リンゴだけを食べ続ける、炭水化物はいっさい食べない、などの極端なダイエットは中性脂肪値を下げ過ぎる原因になります。

 

とくに問題なのは、いわゆるモデル体型を目指すダイエットです。

 

とくに太っていないのにさらに痩せようとするダイエットは、心のバランスを失わせて拒食症や過食症におちいる危険もあります。

 

中性脂肪値が正常値よりも少し低くても基準体重をキープしていれば大きな問題は生じませんが、そこからさらに体重を落とそうとすると健康への影響が生じます。

 

過度の運動

過度な運動は中性脂肪値を低くする原因になります。

 

オリンピックのシンクロナイズドスイミングの選手が強化合宿で摂るカロリーは、1日で5,000〜7,000?だそうです。女性の標準摂取カロリーがおよそ2,000?ですから、なんと3倍前後にもなります。

 

水中で浮力を得るためにはある程度の体脂肪が必要なので、シンクロの選手が激しい練習でも体重を落とさないためには、これくらい食べる必要があるのです。

 

これは逆に言うと、ふつうの食事で激しい運動をすると摂取カロリーはほとんどエネルギーとして消費されて、備蓄エネルギーである中性脂肪の生産には回されないということです。

 

中性脂肪値が低い人も、筋肉をつけたり心肺機能を高めるために運動は必要ですが、激しい運動や持久力が必要な長時間の運動は向きません。

 

健康維持のための運動として推奨されている「1日20分程度の有酸素運動」が、中性脂肪値が低い人の運動の目安です。

 

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

中性脂肪値を低くしてしまう病気に「甲状腺機能亢進症(バセドウ病)」があります。

 

のど仏の下にある甲状腺からは、甲状腺ホルモンが分泌されています。甲状腺ホルモンは身体の新陳代謝を促進する役目があるホルモンですが、異常に分泌されると新陳代謝が活発すぎる状態になります。

 

新陳代謝が異常に亢進すると、汗をかく、動悸や息切れがする、疲れる、体重が減るなどの症状がでます。

 

いわば、じっとしていても運動していると同じ状態になるわけで、中性脂肪がどんどん消費されてしまいます。

 

甲状腺機能の亢進が原因で生じる低中性脂肪値は、病気を治療すれば改善します。

 

肝臓の病気

中性脂肪値が低い場合には肝臓に関わる病気がゲインの可能性があります。

 

炭水化物から摂取した糖を中性脂肪に変えるのは肝臓の役目です。

 

肉や魚から摂取した脂肪酸を中性脂肪に変えるのも、肝臓の役目です。(食物に含まれる脂肪分は、脂肪酸の形で小腸から吸収されます)

 

肝臓の機能に障害があるとこの役目をじゅうぶん果たせなくなり、中性脂肪値が低くなってしまいます。

 

肝臓の機能障害が原因で中性脂肪値が低い場合は、血液検査のAST、ALT、γ-GTなどの肝機能の数値も異常を示しています。こ

 

の場合は、肝臓の病気を治療することで中性脂肪値も改善します。

 

まとめ

 

中性脂肪値が低すぎる原因と対策について解説しましたが、いががでしょうか?

 

中性脂肪値が低くなる原因に思い当たる点があれば、それを取りのぞくことが必要です。

 

病気以外の原因なら、もっとも手っ取り早いのは糖分や炭水化物を多めに食べることです。

 

脂肪を含む肉や魚も積極的に食べましょう。

 

「おいしいものは脂肪と糖でできている」というCMがありますが、おいしいものを食べることで改善できるのは、うらやましいと思う人も多いはずです。

 

ただ、十分に食事しているので、中性脂肪値が低すぎる場合には、医師の診察えお早めに受けることをおすすめです。

 

 

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