女性が更年期に中性脂肪が高くなる原因

女性が更年期から中性脂肪が高くなる原因は女性ホルモン(エストロゲン)の減少が要因

 

女性は更年期の頃になると急激に中性脂肪値が高くなる人が多くなります。

 

 

男性は内臓脂肪が溜まりやすく、女性は皮下脂肪が溜まりやすいと言われますが、女性も50歳前後から中性脂肪が増えてお腹に脂肪が溜まりやすくなります。

 

また、中性脂肪値や悪玉コレステロールが高い脂質異常症は女性よりも男性に多い病気ですが、更年期を迎えると女性の脂質異常症も増えて男性と同様に増えてきます。

 

女性が更年期になると中性脂肪やコレステロールが増える原因は、女性ホルモン(エストロゲン)に関係しています。

 

今回は、更年期に中性脂肪値が高くなる原因を女性ホルモン(エストロゲン)との関係を中心に解説します。

 

中性脂肪は女性ホルモン(エストロゲン)に影響される

 

女性ホルモン(エストロゲン)は女性にとって大切な役割がありますが中性脂肪とも関りがあります。

 

しかし、女性が更年期となり閉経で卵巣の活動が停止すると急激に女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減ります。

 

この急激な女性ホルモン(エストロゲン)の減少よって生じるさまざまな不調が更年期障害です。

 

主に卵巣で作られる女性ホルモン(エストロゲン)は「妊娠」、「出産」、「授乳」など女性には欠かせないものです。また「女性らしさ」や「若さ」を保つためにも大切な働きもしてくれます。

 

さらに、エストロゲンはそれ以外にも次のような多くの働きがあります。

  • 髪の成長をうながし、豊かな髪を作る。
  • 肌のコラーゲンを増やし、柔らかくつやのある肌を作る。
  • 骨密度を高めて、丈夫な骨を作る。
  • 脳の神経伝達物質を活性化して、記憶力や思考力を高める。
  • 自律神経を安定させる。
  • 血管を柔軟にして、血流を良くする。
  • 免疫力を高めて、感染症にかかりにくくする。
  • 中性脂肪の産生をおさえて、内臓脂肪を減らす。
  • 悪玉コレステロール(LDL)を減らし善玉コレステロール(HDL)を増やす。

 

この様な多くの働きの中に、中性脂肪やコレステロールを正常に保つ重要な働きがありますが、更年期で女性ホルモンが減ることで影響して中性脂肪を上手く正常に保てなくなるわけです。

 

女性は更年期になると中性脂肪値が上がり易い!

 

女性ホルモン(エストロゲン)が減ると「中性脂肪値」や「悪玉コレステロール値」が上昇しやすくなり脂質異常症になりやすくなります。

 

 

脂質異常症は最近まで高脂血症と呼ばれていた病気で、血液中の中性脂肪値や悪玉コレステロール(LDL)値が基準値より高くなった場合、または、善玉コレステロール(HDL)値が基準値より低い場合に脂質異常症と判断されます。

 

脂質異常症になると動脈硬化が早く進行し、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高くなります。

 

また、中性脂肪値が上がると体型にも変化が現れます。

 

男性の肥満は内臓脂肪が増えるいわゆるりんご型肥満が特徴ですが、更年期からは女性も皮下脂肪だけでなく内臓脂肪も増えやすくなります。

 

女性もお腹ポッチャリの中年太り(更年期太り)になってきます。

 

 

女性ホルモンが多いと脂質異常症になりづらい!

女性ホルモン(エストロゲン)は脂質の正常な代謝を促すので、閉経前の女性は男性比べて脂質異常症の人が非常に少なくなっています。

 

2009年の「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によると、40代の男性の脂質異常症の割合が13.0%なのに対し女性は4.3%で、女性は男性の1/3です。

 

女性ホルモンが減る閉経後は脂質異常症になり易い!

閉経後は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減るので、中性脂肪と悪玉コレステロール(LDH)が急に増えてきます。

 

脂質異常症が疑われる人の割合は、50代ではまだ男性の半分以下ほどですが、60代では男性が24.9%、女性が26.4%で逆転し、70歳以上では男性が27.3%、女性が32.3%とその差がさらに広がっています。

 

 

悪玉コレステロール(LDH)値を見ると、40代では女性が大きく下回りますが、50代で追いつき、60代で逆転しています。

 

逆に善玉コレステロール(HDL)は、女性は更年期以降に少なくなる傾向があります。

 

更年期に中性脂肪が増える女性ホルモン以外の理由

 

更年期以降に中性脂肪が増える原因は女性ホルモン(エストロゲン)が減る以外にもあります。

 

基礎代謝の低下

年齢とともに基礎代謝が下がるので、同じカロリーを摂取しているとエネルギーの余剰が中性脂肪の蓄積に回されます。

 

家事での消費カロリーの低下

更年期には子どもが独立して家族の人数が減るので、子どもの世話、洗濯、食事の用意などの家事労働での消費エネルギーが低下し、摂取カロリーが余りがちになります。

 

更年期のイライラからくる過食

更年期障害にはイライラや抑うつなどの精神症状もあるので、それを紛らわすために過食気味になることがあります。

 

体型維持への関心の低下

若いころに比べて美容や体形への関心が薄くなることも食べすぎを助長するので、中性脂肪が増える原因になります。

 

更年期に中性脂肪や悪玉コレステロールが増えることの悪影響

 

中性脂肪や悪玉コレステロールが増えて脂質異常症を発病するもっとも深刻な影響は、動脈硬化の進行が早くなり心筋梗塞や脳梗塞のリスクが増えることです。

 

 

50歳未満で心筋梗塞を発症する女性は男性の約1/10で、脳梗塞や脳出血は約1/5です。

 

しかし、更年期以降はこの差がぐっと縮まります。

 

2013年の人口動態統計によると、心疾患による死亡数は、60代、70代ではまだ男性が多いのですが、80代以降は逆転します。脳血管疾患による死亡数も同様です。

 

女性は女性ホルモン(エストロゲン)の効果で動脈硬化の進行が男性より10年遅れると言われています。

 

60代ではまだその貯金が残っていますが、70代でほぼ使い果たし、80代では逆転するという結果になっています。

 

これは、女性が更年期になって女性ホルモン(エストロゲン)という血管のガードマンがいなくなると、むしろ男性より動脈硬化の進行が早くなる事を表しています。

 

したがって女性は、更年期からは男性以上に中性脂肪値やコレステロール値のコントロールに気を配る必要があります。

 

更年期からはしっかり自分の中性脂肪値を把握する

 

女性は更年期からは今まで以上に自分の中性脂肪値や悪玉コレステロール値をしっかりと把握しましょう。

 

 

今まで数値は常に正常だと、安心していると、「突然」数値が上昇してくる場合があります。

 

定期的に健康診断(血液検査)をして、自分の中性脂肪値とコレステロール値を把握しておくことが大切です。

 

血液の脂質の正常範囲は次のとおりです。

  • 中性脂肪値 30 〜149mg/dl ※150以上は脂質異常
  • LDL(悪玉コレステロール) 70〜119 mg/dl  ※140mg/dl以上は脂質異常
  • HDL(善玉コレステロール) 40〜99mg/dl ※39以下は脂質異常

 

このうち1つでも正常範囲から外れると脂質異常症と診断されます。

 

脂質異常症と判断されたら、医師の指導の下で「食事療法」「運動療法」「薬物治療」などを行うことになります。

 

脂質異常症は自覚症状がないので、普段、病院に掛かることがなく血液検査を何年も受けていないという人は、早めに血液検査を受けて性脂肪値とコレステロール値を把握しましょう。

 

簡単に出来る中性脂肪の対策

 

簡単に出来る中性脂肪の対策を紹介します。

 

食事の量と食べる順番に気をつける

中性脂肪を溜めない為には食べ過ぎは厳禁です。特に炭水化物の摂り過ぎには注意しましょう。

 

また、食べる量を減らすだけでなく、食べる順番を注意するだけで中性脂肪の蓄積を防げます。

 

ご飯などの炭水化物を先に食べると、血糖値が急上昇して備蓄エネルギーになる中性脂肪の生産量が増えます。

 

食物繊維を含む野菜を先にたっぷりと食べ、肉や魚はその次に、炭水化物は最後に食べるのが、中性脂肪や悪玉コレステロールを増やさない食べる順番です。

 

適度な運動を行う

適度な運動は中性脂肪を溜めない為にはとても大事です。
運動不足になると消費カロリーが減るだけでなく、筋肉量が落ちて基礎代謝が低下し中性脂肪を溜めやすくなります。

 

1日30分ぐらいの有酸素運動(ウォーキングなどの軽めの運動)を週に3〜4日程度すると、中性脂肪を減らすのに有効だと言われています。

 

まとめ

 

女性は更年期になると中性脂肪が増える原因について解説しましたが、いかがだったでしょうか?

 

更年期以降は女性ホルモン(エストロゲン)のが減ることで更年期障害など健康管理が難しくなります。

 

更年期障害は心身にさまざまな不快な症状を起こしますが、自覚症状がまったくない脂質異常症はある意味でもっとも怖い更年期障害かもしれません。

 

自分の中性脂肪値やコレステロール値を把握して、異常があった場合は早めに治療していきましょう。

 

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