脂質異常症を改善する為に中性脂肪とコレステロールの関

 

血中の中性脂肪値は、コレステロール値と共に「脂質異常症」の判断材料になります。

 

 

血液検査の結果をお医者さんから聞いた時に「脂質異常症」と言われてもどんな病気か良く判らない人も多いと思います。

 

脂質異常症は「動脈硬化」の多な原因となります。「動脈硬化」が進むと脳梗塞や心筋梗塞などの怖い病気の原因となってしまいます。

 

今回は、この「脂質異常症」を判断される元となる血中の「中性脂肪」と「コレステロール」の関係について解説します。

 

脂質異常症とは?

 

脂質異常症は血中の脂質(中性脂肪・コレステロール)の量が異常になる病気です。

 

 

この病気は最初は「高コレステロール血症」と呼ばれていましたが、「高脂血症」と呼び方が変わり、さらに最近は「脂質異常症」と呼ばれるようになりました。

 

なぜ、このようにコロコロと呼び方が変わったのでしょうか?

 

ずいぶん古い話ですが、1960年代に「♪動脈硬化も血圧も コレステロールのせいなるぞ〜♪」という小野薬品のCMソングが流行ったのが、一般の人が「コレステロール」という言葉を知るようになったキッカケでした。

 

これは東京オリンピックのときと重なる日本の高度成長期で、食生活の洋風化が進み「コレステロールが多いのは不健康」が日本人の常識になった時代でした。

 

しかし、その後「高コレステロール症」は「高脂血症」と呼ばれるようになりました。

 

血液の中のコレステロール値が高いのだけが問題ではなく、中性脂肪が多いのも問題だということをが明らかになってきたからです。

 

さらに、最近になって「高脂血症」もあまりふさわしい呼び名ではないということになって「脂質異常症」と呼ばれるようになりました。(2007年の「動脈硬化予防ガイドライ」ンの改訂から)

 

これは、コレステロールには悪玉と善玉があり、善玉コレステロールが少ないのも異常だということをが分ってきたことによります。

 

従来は「総コレステロール値」が目安でしたか、現在は悪玉(LDL)と善玉(HDL)の数値を区別して診断されます。

 

脂質異常症の診断基準

 

脂質異常の判断基準と数値について紹介します。

 

 

脂質異常症には、「悪玉コレステロール」、「善玉コレステロール」、「中性脂肪」の3つの脂質が関係しています。

 

脂質異常症は血液検査して、中性脂肪値、コレステロール値(HDL・LDL)を調べることで判断することが出来ます。

 

脂質異常と判断される基準は、次の通りです。

  • 悪玉コレステロール(LDL)が多すぎる!・・・【140mg/dL以上】
  • 善玉コレステロール(HDL)が少なすぎる!・・・【40mg/dL未満】
  • 中性脂肪が多すぎる!・・・【150mg/dL以上】

 

この中の1つでも該当すると「脂質異常症」と診断されます。

 

健康診断で血液検査をすると、診断結果には必ずこの数値が書かれています。

 

その用紙を見ながらお医者さんに「中性脂肪が少し多いですね」などと注意された経験がある人も多いと思います。

 

日本人に脂質異常の人はどれくらいいるのか?

 

日本人には脂質異常症と診断される人が多くいますが実際はどのくらなのでしょうか?

 

厚生労働省が平成26年度に行った「患者調査」によると、脂質異常症で治療を受けている患者の数は次の通りです。

 

  • 総患者数  206万2,000人
  • 女性患者数 146万5,000人
  • 男性患者数  59万6,000人

 

但し、これは、病院で治療を受けている患者の数で、診断基準に該当しているが治療を受けていない人は、2,000万人とも3,000万人とも言われています。

 

この推定の根拠は明らかではありませんが、「中性脂肪の値が高い」と言われても、すぐに病院に行く気にはならない私たちの実感からも納得できるものがありますね。

 

脂質異常症にはまったく自覚症状がない、というのも治療をしない患者が多い大きな理由です。

 

また、治療といっても食生活などの生活習慣を改めることが主になることも、脂質異常の人に患者意識が薄い原因と言えそうです。

 

脂質異常症の健康への影響

 

脂質異常症のもっとも重大な悪影響は動脈硬化を進行させることです。

 

 

動脈硬化が進むと、心筋梗塞、脳梗塞など生命に関わる心血管系の病気になるリスクが高くなります。

 

これは、動脈硬化によって血管が狭くなり、血液が流れづらくなり血液の流れを止める血栓ができ易くなるからです。

 

また、動脈硬化はまず毛細血管から影響が出はじめます。

 

毛細血管が柔軟性を失って必要なときに拡張したり収縮したりする機能が低下すると、全身の臓器への血流がスムーズに行かなくなります。

 

動脈硬化は年齢によって進行する「血管の老化」ですが、それが通常より早く進行すると全身の老化を早めることになります。

 

皮膚は最大の臓器と言われていますが、毛細血管が老化することで皮膚への血流もわるくなり、肌の潤い、つや、張りにも影響します。

 

年齢の割にお肌が若い人は、スキンケアが上手というよりは血管年齢が若いせいかもしれません。

 

血管年齢が注目されるのは、血管の若さは全身的な若さの何よりのバロメータになるからです。

 

血管年齢は、動脈の硬さや、毛細血管での血流のスムーズさ、血管の詰まり具合などを、平均値と比較して表わしたものです。

 

中性脂肪やコレステロールはどのように血管の若さに関係しているの?

 

中性脂肪や悪玉コレステロールが多い脂質異常症はなぜ動脈硬化の原因になるのでしょうか?

 

動脈硬化は、LDL(悪玉)コレステロールが血管の壁にへばりついてお粥(かゆ)状の膨らみを作ることで進行します。

 

国立循環器センター「循環器病情報サービス」より

 

この膨らみはアテロームと呼ばれるもので、血管の内壁が傷つくとそこに血小板や白血球が集まることで形成されます。

 

LDL(悪玉)コレステロールは増えすぎると血管内壁を傷つけて、アテロームが作られる引き金になります。

 

では、なぜ増えすぎたLDL(悪玉)コレステロールがアテロームが作られる引き金になるのでしょうか。

 

これには中性脂肪が関係しています。

 

血液の中の中性脂肪が増えると肝臓でのコレステロール生産に異常が生じて、LDL(悪玉)コレステロールが増えて、HDL(善玉)コレステロールが減るからです。

 

また、中性脂肪はLDL(悪玉)コレステロールを増やすだけでなく、粒の細かい超悪玉コレステロールも増やすことが分っています。

 

この超悪玉コレステロールが血管内壁にもぐりこみ、酸化LDLになって血管の壁に傷をつけることが、血管に粥状のこぶ(アテローム)を作る引き金になります。

 

さらに、アテロームの中にある白血球の死がいに中性脂肪が付着することでこぶが大きくなります。

 

血管内のあちこちにこのようなこぶができると、血管が狭くなり、柔軟性も失われます。それが動脈硬化なのです。

 

この粥状のこぶが血管壁からはがれて血管内をさまよい、どこかで血管を詰まらせるのが血栓です。

 

脂質異常を改善するには中性脂肪を減らすのがポイント

 

脂質異常を改善するには中性脂肪を減らすのが大きなポイントになってきます。

 

脂質異常を改善するには、食品から摂取するコレステロールを減らすことよりも、カロリー摂取をコントロールして中性脂肪が増えすぎないようにすることが肝心です。

 

身体に必要なコレステロールの2/3は肝臓で作られて、食品から摂取するコレステロールが多いときは、体内での合成をおさえる作用があります。

 

コレステロールの摂取をひかえても、中性脂肪が多いとそれが悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすことにつながってしまいます。

 

参考:中性脂肪を下げる野菜の効果的な食べ方
参考:青魚のEPA・DHAが中性脂肪値を下げるのに効果的なワケ!

 

まとめ

 

脂質異常症を改善する為に中性脂肪とコレステロールの関係について解説しましたが、いかがでしょうか?

 

脂質異常症には、中性脂肪とコレステロールが大きく関係しています。

 

特に、中性脂肪は「悪玉コレステロール」を高めてしまい脂質異常症をさらに進めることになります。

 

その為、中性脂肪をとにかく減らすことが、脂質異常を改善するのとても重要になります。

 

脂質異常が気になるなら、かならず中性脂肪を下げる対策を始めましょう。

 

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